3月26日の二十五絃箏ソロリサイタルは
たくさんの方のお力添えをいただいたおかげで終了しました。
日ごろから衣装も重要な役割を担っていると感じておりますが
今回のリサイタルの衣装については
着物を切らずにドレスとして仕上げ、また着物として再生・着用可能な
『KIMONO Dress』を制作している
SAYAKA JEWERLY®のSAYAKAさんにお願いしました。
「再生(RE-Born)」をテーマとして
作品づくりを続けているSAYAKAさんの活動は、
現状のコロナ禍における音楽・芸術活動の在り方を考える上で
自身の音楽活動の方向性と合致したからです。
今回のリサイタルでも「現状から未来への再生」をテーマの一つとして
前向きに精進したいという気持ちを込めて依頼し、
1年くらいの時間をかけて準備をいたしました。
衣装が曲のテーマに合っているかどうか、演奏のしやすさ、
そして曲間が3分~5分で早着替えができるかどうかなど
世界観やテーマついての話し合い、
また実際に時間内に着物を変化させていくことへの
実演など、リハーサルを何度も重ねました。
着物を切らずに、腰ひもや帯結びなどで変化をつけて
1曲ごとに同じ素材から4つの作品にしていただきましたおかげで、
演奏曲のイメージを広げてくださったこと、心から感謝しております。
■1曲目「浮舟ー水激る宇治の川辺にー(廣瀬量平作曲)」
1曲目だけでなく、今回は人生にもたとえられる
「川の流れ」が通奏テーマの1つでもあったので
帯は水紋で川を連想、
上に着ているピンク絽のアンティーク着物は
何度も使って破れてしまった手持ちの衣装を使いましたが
宇治川に身を投げた浮舟をイメージして、
下の臙脂色紗の着物が破れた個所から見えるようにしてもらいました。
■2曲目「ゆく川の流れー声明とともにー」
日本音楽の礎ともなった声明。
今回は僧侶の方のご指導のもと、私も「華籠」を持たせていただきましたが
華籠の紐の色、白・緑・オレンジ3色に合わせるため、
同じ色の半幅帯をプラスしてもらいました。
この曲では私も立ち上がって「散華」をするため
衣装の後ろ側がお客様に見えるような工夫をしてもらいました。
■3曲目「まほろばの歌Ⅰ(北爪道夫作曲・委嘱初演)」
テーマは万葉集。
いつもの着物の袖は万葉集のイメージと遠くなってしまうので
SAYAKAさんが色々と試行錯誤、いろんな文献等でイメージを膨らませてくださって
着物の袖を紐でとおしてパフスリーブのようにしてくださいました。
■4曲目「琵琶行ー白居易ノ興二ナラフー(伊福部昭作曲)」
あまり中国にも日本にも寄せずに時代感も感じさせずに、、、と
難しいテーマだったかと思います。
しかも1曲目と同じくこの曲の冒頭では「川の流れ」も関係しているので
「浮舟」で使った衣装を敢えて纏いました。
衣装にこだわりすぎれば弾きにくくもなり、
シンプルにすればテーマが伝わりにくい・・・など
何度も何パターンも衣装を考えてくださって
SAYAKAさんに本当にお世話になりました。
配信は5月26日まで、こちらのサイトにてウェブチケットを販売中です。
また、DVDもご用意がございますので
衣装の面からもご覧いただければ幸いです。
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